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「目的と手段を混同してはいけない」

私は約40年間、トヨタ自動車で仕事をしてきました。

その中で何度も教えられたのが、

「目的と手段を混同してはいけない」

という考え方です。

写真を教えるようになって、この言葉を思い出す場面が何度もあります。

撮影会などで、

「F値はいくつにしたらいいですか?」
「シャッタースピードはどれが正解ですか?」

という質問を受けることがあります。

もちろん、それらを知ることは大切です。

でも私は、その前に必ずお聞きします。

「どんな写真にしたいですか?」

背景をぼかしたいのか。
動きを止めたいのか。
流れを表現したいのか。
爽やかな印象にしたいのか。
重厚な雰囲気にしたいのか。

まずゴールのイメージがあるからこそ、F値やシャッタースピード、露出といった設定が「手段」として意味を持ちます。

目的が曖昧なまま設定だけを追いかけても、正解は見つかりません。

これは仕事も同じでした。

何のために行う仕事なのかという目的が明確になれば、方法は自然と見えてきます。

写真も同じです。

まずは「どんな作品を残したいのか」を考えること。

もしまだそのイメージが浮かばないなら、たくさんの優れた作品に触れてください。

「自分は何に心を動かされるのか。」

それを感じることの積み重ねが、自分らしい表現につながっていきます。

私は写真も仕事も、

「目的が見えれば、手段は見えてくる」

という点で、本質は同じだと思っています。

写真はカメラの性能や設定だけで決まるものではありません。

「どんな写真を残したいのか。」

その問いから、すべてが始まるのです。

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