「たかが努力じゃないですか。」――前田真三賞の発表を見て思い出した言葉
先日、第24回前田真三賞の発表がありました。
受賞発表を見ながら、私自身がこの賞に挑戦していた頃のことを思い出しました。
私は2018年、第20回前田真三賞をいただきましたが、そこへたどり着くまでに2度落選しています。
2度目に落ちたときには、
「これでダメなのか」
「審査員はどこ見てるんだ!」
「私は編集部から嫌われているのか」と、本気で思いました。
時間をかけて撮影し、作品をまとめ、「これなら」と思って応募する。
それでも結果が出ない。
そんなことが続けば、「自分には無理なのではないか」と思うのも当然です。
そんな頃、私の目に留まった言葉がありました。
X JAPANのYOSHIKIさんの言葉です。
「たかが努力じゃないですか。努力すればできるんですよ。じゃあ努力すればいいじゃないですか。」
この言葉を見た瞬間、「本当にそうだ。たかが努力だよ!」と思いました。
「努力しなければ」と思うから苦しくなる
「努力」という言葉には、どこか苦しい響きがあります。
我慢する。
耐える。
無理をする。
嫌なことでも頑張る。
そんなイメージがあります。
でも、YOSHIKIさんの「たかが努力じゃないですか」という言葉を見たとき、私の中でその意味が少し変わりました。
欲しいものが努力で手に入る可能性があるのなら、やればいいじゃないか。
考えてみれば、それだけの話なのです。
できない理由を探している暇があったら、
「どうすればできるのか」を考えればいい。
前田真三賞を獲りたいのであれば、
「なぜ自分は選ばれないのだろう」
ではなく、
「選ばれる作品にするためには、何が足りないのか」を考える。
そう考えるようになりました。
本当に欲しいものに向かっているとき、人は努力を数えない
成功した人を見ていると、とてつもない努力をしているように見えます。
しかし本人たちは、案外それを「努力」とは思っていないのではないでしょうか。
どうしてもそこへ行きたい。
どうしても手に入れたい。
もっと良いものを作りたい。
昨日より少しでも前へ進みたい。
その気持ちが強ければ、自然にやることが増えていきます。
写真も同じです。
早朝に起きる。
何時間も車を走らせる。
同じ場所へ何度も通う。
思った光にならなければ、また行く。
作品にならなければ、何が違ったのかを考える。
コンテストに落ちれば、もう一度作品を見直す。
傍から見れば、
「よくそこまで努力できますね」
と言われるかもしれません。
でも本人にしてみれば、
その先に見たい景色があるから、やっているだけなのです。
「つらくない」のではなく、「行きたい」が勝っている
もちろん、努力がいつも楽しいわけではありません。
撮れない日もあります。
落選すれば悔しい。
自信を持って出した作品が評価されなければ、腹も立ちます。
私自身、「私は相当嫌われているんだ!」「そうとしか思えない!」と思ったくらいです(笑)。
成功した人だって、苦しいことや悔しいことは当然あると思います。
ただ、違うのは、
つらさよりも「そこへ行って満足する作品を創りたい」という気持ちのほうが強い。
ということではないでしょうか。
「嫌だ」
「つらい」
「もういいかな」
と思った瞬間、人はやめる理由を探し始めます。
一方で、
「どうしてもここへ行きたい」
という目的がはっきりしていれば、
「やめようか」ではなく、
「では、どうすれば行けるのか」
を考えるようになります。
頂点に行くには、どうすればいいのか
私は前田真三賞に2度落ちました。
でも、2度落ちたという事実そのものには、実はそれほど意味はありません。
大切なのは、
なぜ届かなかったのか。
そして、
次に何を変えるのか。
だったと思います。
もっと撮る必要があるのか。
作品の選び方が悪いのか。
構成なのか。
テーマなのか。
自分が伝えたいと思っていることと、写真から第三者が受け取るものにズレがあるのか。
一つずつ考える。
そして、また作品を作る。
結局、それしかありません。
「自分に才能があるか」
を考えていても答えは出ません。
それより、
「頂点に行くために、今の自分には何が足りないのか」
を考えるほうが、はるかに具体的です。
「たかが努力」で届くのなら
2度落選したときに諦めていたら、私は第20回前田真三賞を受賞していません。
あのときもう一度挑戦する気持ちにさせてくれた言葉の一つが、
「たかが努力じゃないですか。」
でした。
努力しなければならないと思うと、重くなる。
でも、
「たかが努力で届くのなら、やればいいじゃないか」
と思えばいい。
本当に手に入れたいものがあるなら、
「自分にできるだろうか」
と悩むより、
「そこへ行くために、今日は何をすればいいのか」
を考える。
そして、やる。
その積み重ねの先にしか、見えない景色があるのだと思っています。
※:次回は、もう一つ私の心に強く残っている言葉について書いてみたいと思います。
アーティスティックスイミングの井村雅代コーチの、
「簡単です。獲れるまでやるから獲れるんです。」
という言葉です。
これも、前田真三賞に挑戦していた私には、とても強く響いた言葉でした。
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